パルシャット・プロは、1％次亜塩素酸ナトリウムと同程度の抗ウイルス効果を示すことが明らかになった。しかも、蛋白質によってその効果が失われることはなく、金属を変化させることもない。安全で有効な消毒剤として、臨床の場で有用であろう。

大阪府立大学大学院生命環境科学研究科

金属に対する反応
各種金属をパルシャットと1％次亜塩素酸ナトリウムに浸け、24時間静置後の状態を図に示す。パルシャットに浸漬した金属はいずれも変化がみられなかった。一方、1％次亜塩素酸ナトリウムに浸漬した金属のうち、銅は部分的に変色し、緑色の生成物をみた。真鍮釘も同様に緑色の生成物をみた。また、ユニクロ釘では白色の生成物をみた。さらに24時間浸漬しても、結果は変わらず、パルシャットに浸漬した金属には変化は見られなかった。

図1
プロトクリン パルシャットと１％次亜塩素酸ナトリウムの金属への影響
24時間室温に放置後、次亜塩素酸ナトリウム溶液では銅ワッシャー、真鍮釘、ユニクロ釘で変化が認められたがプロトクリン パルシャット液では変化は認められなかった。

蛋白質の影響
FCVに種々の濃度で牛脂仔血清を加えてパルシャット、あるいは1％次亜塩素酸ナトリウムと反応させた場合のウイルス感染価を表２に示す。FCVは、20％にまで牛脂仔血清が混じった状態でもパルシャットで完全に増殖が阻止された。一方、消毒剤としてよく用いられる1％次亜塩素酸ナトリウムでは、牛脂仔血清を1％の濃度で加えただけで、抗ウイルス作用が阻害された。

パルシャットは塩素を含まない消毒剤として開発されたものである。塩素を含まないため、次亜塩素酸ナトリウムのような刺激臭はなく、衣服についても脱色することはない。
また、仮に酸性洗浄剤と混ざったとしても塩素が発生する危険性はない。

使用直後のハサミは動物の様々な汚れが付着しています（なかなかその汚れは落ちにくい）。そこにパルシャット・プロを噴霧して、約10秒後に乾いた布などで拭き取ると汚れも同時に綺麗にすることができます。